折り紙に宿る生き物たちの命 吉澤章の展覧会が佐野美術館で開催

創作折り紙作家・吉澤章の作品を集めた展覧会「命宿るORIGAMI―吉澤章 創作折り紙の世界」が静岡県三島市の佐野美術館にて開催されている。

対象物を徹底的に観察・研究し、一枚の紙で生き物の生態や本質を表現する吉澤章。その作品は「まるで生きているかのよう」だともしばしば評され、国内外で高い評価を受けてきた。動植物や恐竜、昔話、仮面、人々の営みや感情、抽象表現など、さまざまな題材が作品として生み出された。

本展では、新たに同館が寄贈を受けた作品を含めた約700点が集結。生き生きと躍動感あふれる折り紙の動物や虫たちの佇まいから、温もりや懐かしさを感じることができるはずだ。ペンギンの作品からは凛とした様子や可愛いらしさなど、それぞれに異なる多彩な姿が表現されている。

吉澤章は1911年、栃木県生まれ。4歳で折り紙に魅せられて以来、独自の折り紙を創り続けた。1955年のアムステルダム市立美術館での個展をはじめ、海外でも造形美術としての「ORIGAMI」を普及させた。2005年没。

「命宿るORIGAMI―吉澤章 創作折り紙の世界」
2023年9月2日(土)~10月22日(日)
佐野美術館
三島市中田町1-43
https://www.sanobi.or.jp/exhibition/yoshizawa-akira_2023/