ペンギンたちが暮らしているのは、水族館や動物園だけではありません。街中のいたるところに、彼らの姿を見るけることができるはず。「ペンギン探訪記」では、そんな意外な場所にいるペンギンたちの多様な魅力に迫ります。
西武池袋線で池袋駅を出発し、練馬駅を通り過ぎて到着するのが中村橋駅です。そこからほどなくに位置する練馬区立美術館には、可愛らしいペンギンの姿がありました。
1985年に開館した練馬区立美術館に隣接し、憩いの空間として彩りを加える「練馬区立美術の森緑地」。その緑豊かな公園には、動物をモチーフにした20種類(32体)もの彫刻作品が配置されています。柔らかいフォルムとポップな色使いが印象的なペンギンをはじめ、クマやキリン、ゴリラ、サル、ゾウ、ヘビなどの動物が出迎えてくれます。
構想から2年をかけて2015年4月にリニューアルオープンした「美術の森緑地」。その制作指揮をとったのは、練馬区の江古田に位置する日本大学芸術学部の教授で、彫刻作品を数多く手がける鞍掛純一です。緑地内の動物のうち、15種類を担当しています。美術館の入り口前には「うつるもの」というオブジェも展示されています(下記、写真の右下)。 公園は常時開放され、夕方には多くの子どもたちが遊びまわる姿も印象的です。
そのうちの一つであるペンギンは目の色が青なのも特徴的。天然芝の公園に等身大の3羽が仲よく並んでおり、子どもたちがもたれかかったりするなど、触ることができるアート作品としても愛されている様子です。その後ろには不思議なキノコがあり、幻想的な雰囲気を高めています。
練馬区立美術館の開館と同時に開園した美術の森緑地がリニューアルされる際、その整備基本構想では「美術館の前庭」と位置づけられるとともに「野外展示の場、美術館へいざなう場」として、一体的に活用することが意図されています。当初の構想ではペンギンがカエルとともに水飲み場にいるイメージ図があり、現在の姿とは少し異なるものも見ることができます。
練馬区立美術館は、日本の近現代美術作品を中心に5,500点ほど所蔵。寄託作品を含めると7,500点にものぼります。練馬にゆかりのある作家の作品を多く展示するほか、絵本作家を焦点をあてた企画展など、独自の切り口の展示を行なっています。また、図書館が隣接するなど、文化的な拠点といえる場所として、多くの人が足を運ぶ場所となっています。練馬区立美術館のロゴマークから誕生したキャラクター「ネリビー」も敷地内のいたるところに潜んでいます。