国立科学博物館が主催するオンラインのワークショップ「かはくの鳥博士と不思議な鳥たちの世界をたんけんしよう!」が10月8日・21日・29日に3回にかけて開催される。
全3回で毎回異なるテーマについて、専門家が解説する今回のオンラインワークショップ。全3回で、毎回違うテーマが扱われる。1回のみの参加も可能となっている。
10月8日(日)の第1回は「ペンギンについて詳しく知ろう!」。空も飛ばずほかの鳥とは大きく異なるように見えるペンギンが本当に鳥なのか、いったいどの鳥に近いのかという分類について話がされる。また、子育てや食事がどのようなものなのかといった生態や行動、地球環境との関わりなど、ペンギンについて生物としての基本から応用、さらには意外なことまで、科学的に、そしてわかりやすく解説される。
10月21日(土)の第2回は「フクロウの棲む世界」。夜のハンターとして全世界に200種以上分布しているフクロウ類は、私たちのように両眼が前向きについているという特徴があるが、果たしてフクロウたちはどうやって暗闇で生きた獲物を狩っているのか? その秘密がこの顔の形にも隠されているという。日本で最も身近な種フクロウ Strix uralensis(学名)の暮らしぶりを中心に、フクロウ類の優れた能力の秘密について、標本や実際の声などの紹介も交えながら話される。
10月29日(日)の第3回は「オス、メスを産み分ける鳥の話」。鳥のメスはオスとメスになる卵を半々に産むとは限らず、状況によって産む卵の性をコントロールしているという。どのような状況であれば、オスあるいはメスになる卵が産まれるのか? そのような産み方が進化した理由とは? どのようなしくみで性をコントロールするのか? わかりやすく説明される。
イベントはZoomによるオンラインでの開催となり、各回19時から約45分を予定。当日は、質問やコメントに答えながらのゲストとホスト双方が楽しめる内容となる。なお、アーカイブの配信は予定していない。
対象年齢は小学校高学年以上で大人も楽しめる内容に。参加費用は各回1,000円(+おうえん代)で、大人1人分の料金で家族全員で視聴可能。任意のおうえん代の金額は100円・200円・300円・500円・1000円より選択可能となる。なお、おうえん代は国立科学博物館での標本整理費用として使用される。
博士からのコメント
西海博士/ペンギン(10月8日)
ペンギンは動物園でも人気者で、誰もが知っている動物です。でも「ペンギンは鳥なんですよ」というと大人でも時々驚かれます。また「ペンギンの足は本当は長いんだよ」と真偽が微妙な豆知識を披露してくれる人もいます。科学的にはどうなのか、南極で鳥の調査をした先生が、ペンギンの魅力を交えてお話しします。実は、野生のペンギンは動物園で見るよりもっとかわいい時もあれば、そっけない時もあって「ツンデレ」なんですよ。
樋口博士/フクロウ(10月21日)
子供の頃から生き物が大好きでした。でも人が快適さを求めることで失われる自然の事を深く知るほど、悩んだ時期もありました。学問に身を置き考えながら進んだ先々には、多くの方々が手を差し伸べて下さいました。できることを精一杯行うことで、ご恩返しができればと今に至ります。今回もこのような機会を戴けましたことに感謝して、皆さまと自然や生き物の素晴らしさについてご一緒に考えることができたら大変有難いです。
濱尾博士/性の産み分け(10月29日)
メスの鳥は、自分の子孫が繁栄するようにうまくオスとメスを産み分けます。そして、そのような習性は、シンプルな進化のしくみによって形づくられます。「鳥の習性はうまくできているな」「オスとメスには意外な違いがあるんだ」「進化のしくみがすっきりとわかった」という感想を持ってもらえるよう、わかりやすくお話しします。