現代オーストラリアを代表する作家ディーン・ボーエンの作品を展示する日本初の本格的な個展「ディーン・ボーエン展 オーストラリアの大地と空とそこに生きる私たち」が、徳島県立近代美術館で開催されている。会期は12月10日まで。
群馬県立近代美術館からの巡回展となる同展。メルボルンを拠点に、版画をはじめ、油彩画や水彩画、彫刻、廃材によるアサンブラージュなど、多様なジャンルで活躍を続けるディーン・ボーエンの作が約150点、展示される。
西洋のモダニズムや原始美術など、幅広い芸術を愛したボーエン。アール・ブリュットの芸術家として知られるジャン・デュビュッフェからも強い影響を受けている。アール・ブリュットとは「生の芸術」を意味するフランス語で、その解釈は「正規の美術教育を受けていない人による芸術」「既存の美術潮流に影響されない表現」といった説明がなされる。ボーエンの作品も従来の美術の枠組みを超えていく自由な印象を受ける。
ボーエンがモチーフにするのは、広大なオーストラリアの大地と自然や都市、そこに生きる人間や動物などの身近な存在だ。オーストラリアのさまざまな生き物がユーモアと想像力にあふれた、チャーミングで心温まる親しみやすい姿で表現されている。作品のモチーフとなった動物には、ハリモグラやコアラ、ウォンバットなどのオーストラリア固有種も登場する。
ペンギンを描いた作品としては「おとなしいペンギン」(Passive Penguin)が出品。2010年に制作された作品で、どこか不思議な雰囲気が漂うボーエン作品のユーモラスな魅力を感じることができる。
なお、同展の期間中には多くのイベントも開催される。詳細は公式サイトを確認のこと。
特別展 ディーン・ボーエン展 オーストラリアの大地と空とそこに生きる私たち
会期:開催中~12月10日(日)
会場:徳島県立近代美術館 展示室3(2F)
開館時間:9時30分〜17時
休館日:月曜日(9月18日、10月9日を除く)、9月19日、10月10日
料金:一般 900円/高・大生670円/小・中生450円